運命のブレスレット
「よしっと!これで一応今日のところはいっか!ってことで橘さん、出発の用意を!」


「お、お嬢様…。」


「何かしら?私のテンションについていけないとでも⁉︎」


それが図星だったようで、老執事は禿げ上がった額の汗を拭きながら言った。


「いえ、決してそんなことはございません。車を発進させましょう。」


私はその言葉を聞いてから車に乗り込むと、早速収納箱に入れておいた鏡を取り出し、櫛を取って髪の毛を梳き始めた。


それを前のミラーで見ながら橘さんが口を開こうとしたけど…止めた。


まぁ今橘さんが言おうとしてたことは予想がついてるからね!


どうせ


「お嬢様、そこで髪をお梳きになると髪の毛が座席についてしまいますよ。」


でしょ?


だから要するに橘さん自身の掃除が大変になるってこと!





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