イジワル上司の甘い求愛


「浦島さんは、新しい部署大変なんでしょ?」

アルコールの力も手伝って、今なら聞ける勇気が湧いてきてそれとなく話題を振る。

梨沙から苦戦しているって聞いて、ずっと気になっていたんだもん。

「大変だけど、やりがいはある。企画部にいた頃とはまた違った面白さがあるよ」


スッと私から視線を外して、微笑みを口元に浮かべてから浦島さんははっきりとした口調で答える。


本心なのか、強がりなのか。

それともただ単にはぐらかされただけなのか、ちっとも分からなくって、私の方が返事に詰まる。


「もしかして、誰かに何か聞いた?」

「えっ?!いえ……」

私の反応を見て、きっと何かを感じ取った浦島さんが探るような眼差しを向けた。

「わっ、私はただ管理職って大変なんだろうなって思っただけで……」

焦って早口になってしまったら、一気に重たい空気が2人の間に流れてしまう。


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