イジワル上司の甘い求愛

「カイセイハウスの打ち上げの後、予定空けておいて欲しいんだ。ちょっと話したいことがある」


アルコールで浮かれていた頭が、ふとはっきりと鮮明になる。

話したい事?

きっと結婚のことだろう。

『犬猿の仲』と呼ばれていた間だって暖かく距離を置きながらも見守っていてくれたんだから、私にはちゃんと自分の口から伝えたいってこと?

そんなの余計に傷つくっていうのに。


あぁ、もう。

足元がぐらぐらする感覚に襲われる。

「わっ、私だって浦島さんに話さなきゃいけないことがあります!!」


って、何言ってんだろう、私。

売り言葉に買い言葉。

口から出てしまった後に、大きな後悔の波が押し寄せてくる。

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