イジワル上司の甘い求愛
昨夜は浦島さんと居酒屋の前で口づけを交わして、私たちは近くのホテルに入った。
浦島さんが取ってくれた部屋は、スイートルームではないけれど高層階の夜景が一望できるダブルベッドのある贅沢な部屋。
オレンジ色の電波塔がキラキラと光っているというのに、夜景なんてみることもなく私たちはベッドになだれ込んだ。
ベッドの上で、浦島さんは優しく私の服をはぎ取りながら、甘ったるいキスの雨を降らせた。
私に向けるまなざしは優しくて、胸が震えた私は少しだけ泣き出しそうになった。
そんな私に「嫌?」と尋ねられて、私が小さく首を横に振ると、それを境に浦島さんは私を抱いた。
「智哉……」
「千晶」
何度も何度もお互いの名前を確認するかのように呼び合って、啼き続けた。
浦島さんはとにかくスマートで、女の子の扱いに手慣れていた様子だったから、私の知らない浦島さんの姿に少しだけ胸が苦しくなったんだった。