イジワル上司の甘い求愛
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朝の穏やかな光が眩しくって目を覚ました。
いつも寝ている我が家のものとは、比べ物にならない位柔らかなベッドに横向きになっていた起き抜けの私の視界に入ってきたもの、それは程よく筋肉のついた男性の背中。
清潔な白のブランケットがかろうじて腰から下を隠している。
背中を向けた男性は、まだ夢の中らしく規則正しい寝息を立てている。
「……浦島さん」
背中を向けていてもそれが誰なのかくらいすぐに分かる。
昨日、飲んだ上に明け方近くまで喘がされた喉は、もちろんのごとく枯れている。
って、よく考えたら私だって裸だってことに気が付いて、慌ててブランケットを手繰り寄せて身体を隠そうとしたけれど、体のあちこちが痛い。
それに、太ももや胸、腕のあちこちに付けられたバラの花びらみたいな浦島さんとの情事を示す証が残っている。