イジワル上司の甘い求愛
「君はたしか、企画部の浦島くんだったね?娘をよろしく頼むよ。あとでゆっくりと話をしよう」
社長は反対するって思っていたのに。
隣に立っている奥様は複雑な表情を浮かべているのに、社長は信じられないことを口走った。
あぁ、そういえば社長は玲美さんに激アマってことだって聞いたことがあったな。
そんなことを思い出したのは、それからずいぶん経ってからのことだったけれど。
社長の発言に、会場はさらに盛り上がる。
自然発生的に『社長』コールまで始まって、いつも怖い顔した社長もとてもご満悦といった表情だ。
浦島さんは、というと、あぁ、ダメだ。
彼もキスの直後は一瞬、戸惑った表情を浮かべていたけれど、社長の発言を受けて、にっこりと目を細めて笑った。