イジワル上司の甘い求愛
「千晶、大丈夫……?」

私の浦島さんに対する気持ちを知っていた、社内で唯一の人物の梨沙が、心配そうな顔して耳元で尋ねたから、私は小さく頭を横に振った。


「きっと何かの、冗談よ……ね?」

「うん……」

梨沙が励ましてくれる言葉に頷くしか出来ないでいる。


冗談ならいい。
ううん、むしろ冗談であってほしい。


「梨沙、私ちょっとトイレ行ってくる」


私はステージ上で隣同士で並んでいる浦島さんと玲美さんの姿を見ることが出来なくって、逃げる様に会場を後にした。


あの二人、お似合いだった。

美男美女。
その言葉がよく似合う2人だった。


ステージ上で隣同士に並ぶ2人の姿が頭から離れなくて、私はトイレで頭を抱えて動けなくなってしまった。

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