イジワル上司の甘い求愛
「こいつさぁ、東京で大変なんだよ。好きな女の子に告白寸前で社長令嬢に付きまとわれて、その女の子には嫌われたんだって。社長令嬢が他の男と結婚が決まって解放されたんだって」
「そうそう、だからさチャキ。こいつの彼女になってあげてよ」
「あぁ、東京って物騒だよな」
「おいっ、お前ら……」
冗談を言いながら笑っている3人とは対照的に恨めし気な声を出しながら余裕なんてない表情をしている浦島さん。
私はその4人の様子を、なんだか蚊帳の外で眺めているといったところ。
さっきから頭はフル回転で状況を理解しようとしているのに、大混乱している。
それどころか、眩暈すらしてきた。