イジワル上司の甘い求愛
「あっ、チャキ!!こんなところに居たぁ。本多先生と写真撮影しようってみんな集まってるよ!!」

あぁ、そういえば後で同級生皆で先生と写真を撮ろうなんて話していたんだった。


どうやら私を探していたらしいかなえちゃんが私と浦島さんの間に流れるギクシャクとした空気を一掃してくれた。


よかった、救世主!!

「すみません。失礼します」

私は3人の前を会釈して、逃げるように通り過ぎようとした。


その瞬間――

「チャキ」

聞き慣れた艶のあるバリトンボイスが私の脚を止める。

聞こえなかった振りをして無視することだって出来るのに、どうやら浦島さんの言葉に魔法をかけられたみたいに私はその場から動くことが出来ない。

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