イジワル上司の甘い求愛

あれ?
私たち、この間の本多先生の還暦パーティーで気まずいまま別れたんだった。

それから、あの夜身体を重ねてから、ずっとろくに話だってしていない。

しかも、数か月前まで『犬猿の仲』だって言われてたんだったっけ。


それについさっきまで、冬休みが明けたら会社でどんな顔して浦島さんと会えばいいんだろうってぐずぐず悩んでいたのに。


2人きりでこうしていると、そんなことどうでもよくなってしまう。


こうやって、ブランコに座って並んでいると、楽しくって高校生の頃に戻ったみたいだし。

「なにさっきから考えてる?チャキ、百面相みたいだな」

顔を覗き込まれるように浦島さんが見つめていたから、ブランコからひっくり返りそうになって慌てたら、浦島さんが声をたてて笑う。

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