イジワル上司の甘い求愛
「今年は中吉かぁ」
「浦島さんもおみくじの結果気にするタイプなんですね」
神社近くの小さな広場にあるブランコに並んで座りながら、何気なく呟いた浦島さんの言葉に反応してみたら冷たい視線を向けられて冗談交じりに肩を竦めた。
◇◇◇
「参拝終わった?ちょっと2人で話さない?」
頬を膨らませた私の反応を伺うように浦島さんが私を誘ったのは1時間程前のこと。
こんな時の浦島さんは、やっぱり有無なんて言わせない雰囲気を醸し出す。
小さく頷いた私に満足げに微笑んで「待ってる」と私を送り出したんだった。
参拝を済ませて、一緒におみくじを引いてお互いの結果を見て、それなりに楽しんで、今こうしてブランコで並んでる。