イジワル上司の甘い求愛
「チャキは、嘘がバレバレだ」
あぁ、そういえば2人でご飯を食べた時、同じようなこと浦島さんから言われたんだったなぁ。
浦島さんはきっと、私がお見合いでもして会社を辞めようって思っているってことなんてお見通しみたいだ。
冷たい風が2人の間を通り過ぎていく。
「……チャキ、俺の話聞いてくれる?」
固い表情のままの浦島さんが張り詰めた空気の中、ゆっくりと口を開く。
小さく息を呑みこんでから頷いた私を横目でチラリと見てから、浦島さんが今度は大きく息を吐きだした。
「……あのさ、玲美とのことなんだけど」
神社で会って、浦島さんから『話をしよう』って誘われた時から本題が玲美さんのことだってことくらい、いくら鈍感な私だってピンときていた。
ずっと玲美さんの話題に触れるのが怖くって、話を逸らしていたっていうのにどうやらもうこれ以上は逃げることなんて出来ないらしい。