イジワル上司の甘い求愛
「あぁ、あれは必要なくなったからな」

浦島さんは、照れ臭そうにブランコを大きく一度だけ漕いでみせる。

「いえ、そうじゃなくて。どうして玲美さんとの1年くらいで関係が終わったのに、指輪をずっとはめていたんですか?!」


「あぁ」

浦島さんは苦笑いしながら頭を無造作に掻いた。


「……単なる、女除けだ」

「へっ?」

呆気に取られた私は、もう何がなんだか分からない。


女除けって、女除けって。

私はその指輪にとらわれていたせいでずっと、浦島さんと距離を置いていたっていうのに。

それも玲美さんとのキスをみたあの日から、4年間ずっと『犬猿の仲』と呼ばれるくらいにまで。


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