イジワル上司の甘い求愛
ちょっ、ちょっと待って。頭が完全についてきていない。
「自分の中で完全に断ち切っていたチャキへの気持ちのはずだったんだけど、違う部署になって離れたら、やっぱり好きだって気がついた」
頭の中大パニック真っ最中の私なんか、放ったらかしで浦島さんは淡々と話を続ける。
淡々と話をしているのに、いつもの飄々としている浦島さんの様子とは違って頬だって、耳だって朱に染まっていて、いつもより早口だ。
「本当はカイセイハウスとの一件が片付いてから気持ちを伝えようと思ったんだけど、その前にあんなことになって……」
思わず口を噤んだ浦島さんをチラリと横目で盗み見た。