イジワル上司の甘い求愛
店を出て、ビールを2杯も飲んだっていうのに、緊張のせいか気持ちよくなんて酔うことが出来なくて、とぼとぼと浦島さんの後を手を引かれて歩く。
「どう?俺の家、来る?」
前後の会話なんてほとんど覚えていないってのに、乾いた冷たい空気の中でその言葉がやけに響いて聞こえて、私は条件反射的にコクリと頷いてしまっていた。
そして、半分の後悔と半分のワクワク感を押し殺しながら、今、私はエレベーターの中で浦島さんの背中を見つめている。
もういい歳の大人が、彼の家にお邪魔するなんてこと、この先何があるか分かっているのに。
あぁ、もうさっきから緊張で喉がカラカラする。
落ち着け、私。