イジワル上司の甘い求愛
体のあちこちが痛い。何度も何度も啼かされて、意識を手放したせいで私の喉はカラカラしてる。


今日が土曜日で休みで良かったな。

「うぅぅん」

一度大きく伸びをして、隣に居る智哉さんに声をかけようとした。

えっ??

智哉さんがいない。


そういえば、まだ想いが通じ合う前に一夜を共にした時、あの時は私が智哉さんを置いてホテルを後にしたんだっけ。

嫌な予感が頭を過ぎって、私は寝ぼけ眼のまま慌てて飛び起きた。

黒を基調としたアンティークの家具の並ぶ部屋。シンプルだけどこだわりは感じられる寝室。昨夜は灯りもつけずに身体を重ねたせいで、こうやって室内を見回す余裕すらなかった。

そっか、ここ智哉さんの寝室だった。

落ち着いて考えたら、智哉さんが自宅からいなくなるわけなんてないってことに思いを巡らすことができて、私は肩を撫でおろす。

< 246 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop