イジワル上司の甘い求愛
「大岩さんがタイプかどうかなんていう話は別にして、大岩さんは頼れる男だから」

次の言葉を私が発しようとしたタイミングで、冗談とも本気とも分からない口調で浦島さんが私の言葉を遮る。

「有瀬さんのことも頼んでおいたから。何か困ったことがあったら、彼に相談するといい」

「えっ？」


思わず、素っ頓狂な声が出てしまった。
駅前の交差点で信号待ちをして、隣に居た人が私の声にびっくりしたような表情を浮かべる。


「だっ、だから、私、別に大岩さんのこと……」

「へっ？」

驚きの声をあげるのは、どうやら今度は浦島さんの番。

「あぁ、恋愛とかそういう意味ではなくて、仕事でってこと」


すぐに私の勘違いを理解した様子の浦島さんは、肩をわずかに揺らしてから教えてくれる。

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