イジワル上司の甘い求愛
「新人の頃はあんなに仲良かったのにね」

懐かしい思い出をきっと思い浮かべていた梨沙が、苦笑いしながらそんな言葉を漏らす。


「だって、それはっ!!」

梨沙の言葉に思わず、大きな声を出してしまった私のせいで、周囲での冷たい視線が私たちのテーブルに一気に向けられる。

「それは、あの人が高校の部活の先輩だったから、初めて上京して入社した私を可愛がってくれてたってだけで……」

声を潜めながらぶつくさと話すと、梨沙は肩を竦める。

「しかも、その浦島さんが千晶の初恋の相手で、高校の頃、振られた相手」

もう梨沙、余計なこと思い出さないでよ。

昨夜見た夢のことを思い出して、顔面が一気に熱を帯びる。
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