イジワル上司の甘い求愛
「やらなきゃいけない仕事、見せて?」
今度は穏やかな声で浦島さんがそう言うから、私はもう見せるしかない。
浦島さんは座っている席にジャケットをかけて、真っ白なワイシャツの袖をめくり始める。
程よく筋肉のついた二の腕が見えて、ふいに胸が高鳴る。
「この事案と、これは今スグでもできるな」
戸惑っている私をよそに浦島さんが私のToDoリストの付箋を眺めてさっそく仕事に取り掛かる。
「う、浦島さん?!」
「手伝うって言っただろ?」
「でも、今日はもう遅いし、浦島さんだって……」
気が付いたら時計の針は20時をまわっている。
浦島さんだって、特需販売事業部が立ち上がって忙しい時期なのに……