イジワル上司の甘い求愛
「手伝う仕事1つも2つも変わらないから。頼れる時には頼りなさい」
私が時計に視線を移したのと同じように、浦島さんだって時刻を確認したはずなのに。
手伝う仕事が1つも2つも変わらないって……
浦島さんが私の手帳から剥がした付箋、5つもありますけど……
涼やかな顔して、私の席を陣取ると画面を眺める。
隣でただ立ち竦むように立ったまま戸惑っている私のことなんてそっちのけで、浦島さんは軽やかなタイピングの音と迷いのないマウス運びを魅せる。
私が口を挟むタイミングなんて与えられていないらしい。
私は仕方なく隣のデスクに座り、残っていた事務作業を始めた。