【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
きょとんとしていると、樹紗ちゃんが身体を離して、目を丸くしてこっちを見つめてきた。
「あれ、未央気づいてねぇの?
あいつの未央に対する態度、他の女子と全然違ぇよ?
相当未央のこと気に入ってるみたいじゃん」
「え……?」
そ、そんなこと全然気づきませんでした……。
でも、どうして……?
「未央はさ、好きな奴とかいねぇの?」
腰に手を当て、私の顔を覗き込んでくる樹紗ちゃん。
それに対して、
予想外な質問に言葉を詰まらせる私。
「え……? 好きな人……?」
〝好き〟が、どんな感情なのか、まだよく分からなくて。
〝好き〟って
なんですか……?
そんなことを思った、その時だった。
どすん
と、鈍い音が聞こえた。
そして、誰かの声。