【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜
「え?」
樹紗ちゃんと重なるように、私はそう声を上げていた。
聞きなれない音。
それが何の音か分からなくて。
声がした方に、気づけば足が動いていた。
そして───
校舎裏、そこで目に入った光景に
「……っ」
私は思わず声を失った。
だって……
結城くんが男子生徒を殴っていたのだから。
それだけじゃない、結城くんの足元には3人の男子生徒がお腹を抑えてうずくまっていて。
「…結城、くん……」
私の掠れた声に、結城くんがこちらを振り返った。
その目は、私を見た瞬間ひどく動揺の色を示した。