【完】今日も、君と初恋中 〜ヤンキーくんと甘い恋〜


「え?」




樹紗ちゃんと重なるように、私はそう声を上げていた。




聞きなれない音。


それが何の音か分からなくて。




声がした方に、気づけば足が動いていた。




そして───


校舎裏、そこで目に入った光景に


「……っ」


私は思わず声を失った。




だって……




結城くんが男子生徒を殴っていたのだから。




それだけじゃない、結城くんの足元には3人の男子生徒がお腹を抑えてうずくまっていて。




「…結城、くん……」




私の掠れた声に、結城くんがこちらを振り返った。




その目は、私を見た瞬間ひどく動揺の色を示した。


< 112 / 244 >

この作品をシェア

pagetop