風変わりなシュガー
そう思ったのに、無理だった。
注文を全て作ってしまうと、メグちゃんはいいよ、と言った市川さんが全部一人で運んでしまったのだ。
「折角知り合いになったんだから、彼らと話したら?」
居場所がなくてウロウロしている私に、市川さんが笑いながらそう言った。
「いやいやいや、でも、だって!」
「そんなに構えずに。悪い子達ではなさそうだしさ。多分、とって食われやしないよ。気持ちをしっかり持ってたら大丈夫」
「ええ!?でもあの、市川さ――――――」
にっこり。市川さんは大きく微笑んで、知り合いらしい、サトと呼びかけた男の人のテーブルへと近づいていってしまった。
いつまでもそれを凝視しているわけにもいかず、仕方なく私は向き直ってカウンターへ入る。ちらっとみたら二人ともの水がなくなっていたので、ピッチャーを取り上げて足していった。
「メグ」
シュガー男がそう呼んだから、私は口をへの字に曲げる。
「呼び捨てやめて下さい」
「だってそれが名前なんだろ。コーラお代わり」
「オレも。シュガーの無礼は慣れるしかないよ、おねーさん。最初は、は?って思ってもこいつの愛嬌には結局巻き込まれる運命にあるんだし」
運命!そりゃあえらく大きな言葉が出てきたものだ。
私はため息を飲み込んで、淡々と動いた。グラスに氷を足し、コーラを注ぐ。滴を拭いてカウンターの上へ。男達はそれぞれ腕を伸ばして取った。