あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
「・・・」
「・・・」
二人の間に沈黙が訪れる。
周りの人間がみんな寝ているせいで。
起きているのが私達だけのせいで。
この空間がひどく寂しく思える。
開けている窓からは夏の風が時折舞い込んでくる。
心地よい風が頬をかすめ、私はビールを口に含んだ。
こうして、のんびり静かにお酒を飲むのも悪くない。
そんな風に思った時
「あのさ」
突然、沈黙を割くかのように陸が口を開いた。
「なんです?」
私はビール缶から視線をあげ、陸へと移した。