あの日の桜はⅡ【大幅修正中】
陸の表情はまじめで、瞳はどこか一点を見つめていた。
「千景も葵もさ莉子のこと探ってるじゃん。そりゃ、表立ってではないけどみんなちょっとは気になってる」
いきなりすぎる言葉に私は少し、目を伏せた。
陸は優しいから、隠そうとしない。
別に千景と葵が悪いってわけじゃない。
知りたいって思う気持ちはダメな事じゃなし、第一逆の立場なら私だって気になる。
だけど、彼らは直球のように見えて少し、遠回りしているように私には見える。
「はい」
陸が私のほうを見た。
その瞳はやっぱりどこか優しくて、だけど、迷うことない目で
「俺はさ、千景たちみたいに頭使うのは苦手だからさ、面と向かっていう」
「俺は莉子のこと知りたい」