この思い秘密です
「とりあえず、こんな感じでじゃんじゃん書いてよ。俺も明日から曲づくり開始する」

「・・はい」

そして淳平は階段をのぼって自室へ


淳平の姿が見えなくなると

「は~~~っ」

残された私はため息と共にさっきまで淳平が座っていたソファーに力なく座った。

別に何かを望んでいるわけではない。

好きだけど気持ちを伝えないと決めたのも自分だし、こうやってマネージャーと

今は仕事のパートナーとして一緒にいられるだけでいい思っているのにすっきりしない。

自分で決めたことなのに・・・


それからの私たちは、淳平はスタジオで曲作り、私スタジオ以外の場所で歌詞書くという生活になった。

私の場合、紙とペンさえあればいい。

散歩しながらふと思った言葉を紙にメモして後でパズルのような言葉たちを

つなぎあわあせていった。

最初はあんなに嫌だと思っていたのに今ではそれが苦ではなくなっていた。

でも淳平から曲が完成したという連絡はない。

歌を作る大変さは私自身が身を持って知った。だから私は淳平がなにかを言うまで何も言わなかった。

そんな日が何日か過ぎた頃だった。


「凪!凪?・・・なぎーどこにいる?」

「こっち。キッチン」

淳平が興奮した様子で私の名を呼んだ。

「凪!」

キッチンに入ってきた淳平の顔は久しぶりの笑顔だった。

「できたんだ・・・曲」

「おう!出来たんだ!ちょっとスタジオにきてくれ」

淳平は私の手首を掴んだ。

でもちょうど調理中で手が離せない状態だった。

「待って!今夕飯作ってる最中なんだけど・・・これが出来上がったらじゃダメ?」

「ダメ!飯は後でいいし冷めても構わないから」

「・・・・はいはい」

私は仕方なく火を止めると淳平に引っ張られるかのようにスタジオへと向かった。
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