虹色のラブレター
車に戻ると、千鶴はいつもの笑顔で僕を迎えてくれた。
僕は、彼女の笑顔で元気になれる。
ホッとするというか、安心できる。
だけど、この時だけは違った。
胸がキリキリと痛む。
何もなかったように振る舞おうとしてみたが、美貴の気持ちを考えると、それは無駄な努力だった。
僕の顔を覗き込んで、千鶴は心配そうに聞いてきた。
「どうしたの?」
『ううん。なんでも……ないよ』
顔を上げて、僕は千鶴と目を合わせた。
「そう?」
『うん。じゃ、ドライブの続きしよっか。どこ行く?』
車はもう一度、元の国道に入った。
少しして、千鶴が言った。
「友達に……何か言われた?」
千鶴は「友達に」と言ったが、僕にはそれが「美貴に」と聞かれているように感じた。