「野球が俺の恋人」なんて言わせない！！

　　ちゃんと未来って呼んで
　　くれるから。。。


　　涙が止まんなくなりそうだよ。


　　ふとみんなの方を見ると。


　　「何その傷？！どうしたの？！」


　　柊の唇の端が切れている。


　　「え？？俺だけじゃないよ？
　　悠樹も友華も恭介さんも新庄さんも
　　だし、漣なんて隠してるけど一番
　　傷いっぱい負ってるよ？？」


　　柊があまりにもさらっと言うから、　　
　　ものすごいことを言われたのだと
　　気付くまでに少し時間がかかった。


　　やっと理解して漣の副の袖を
　　まくると。


　　「何・・・・・これ。」


　　痣みたいなものがいっぱいあって
　　血が滲んでいた。


　　「敵討ちに行ってきたんだよ。」


　　恭介が飄々と言う。


　　何で・・・・・・・・？
　　何でそんな飄々といえるの？


　　こんな傷だらけになって。
　　あたしはこんなこと望んでなんか
　　ないのに・・・・・・・・・！


　　自分でちゃんとケリ付けるのに！
　　

　　「何で？何でこんな傷だらけに
　　なってるの？こんなことあたしは
　　望んでないのに・・・・・・・！」


　　「俺たちもそうだったぜ？」


　　「え・・・・・・・・・？」


　　漣の言葉が理解できず周りを見渡すと、
　　みんながあたしを見据えていた。

　　
　　怖いぐらいに。真っ直ぐあたしを。