愛してるって囁いて

黙ったまま、二人で立ち
海をみる形に。

なぜ、私をここへ
と、思っていると

「そんなに、俺が嫌か?
電話もでない、メールも返信しない。
嫌なら、嫌だと言えば
いいと、お前が言ったよな。
俺の気持ちを聞いて、からかったのか?
楽しかったか?」
と、彼は、苦しそうに言った。

「ちっ、違う、そんなこと
思ってない。」

「なら、なんで?
この数日、俺がどんな気持ちだったか‥」
と、彼が言う途中に

「だって、見たんだもん。」
「なにを?」

「洸さんが、お姉ちゃんと
楽しそうに、笑いながら
歩いているとこ。

私、あんな洸さんをみたことのない

やはり洸さんは、私じゃなくて
お姉ちゃんが、好きなんだと。
思ったから。」
と、言いながら涙が流れた。

その、涙を洸さんは拭きながら
「沙代、それ、やきもちに聞こえるぞ。」

「なっ。」
「沙代、この間、
俺が言ったこと聞いてた?
俺は、お前の笑顔に惚れた
と、言ったよな。
沙代が、好きだと、言ったよな。

なんで、千恵が、出てくんだよ。
悪いけど、あんなロボットみたいな女
趣味じゃない。
だいたい、千恵は司の。」
と、言った。

「ロボット?お姉ちゃんが?」
私は、可笑しくて笑ってしまった。

「はあ?沙代、
お前笑ってる場合じゃないぞ。
俺は、怒ってるんだから。」
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