クールな溺愛彼氏様⁉︎
「今日も来ているよ、あのお客さん」
とてもかっこよくて、目を惹いたのかすっかり彼の顔を覚えた私たちは、彼が来るたびに声をかけ合っていた。
仕事中の、気晴らし程度だった。
仕事をさらに楽しくするための、スパイス、その程度だった。
彼は、その日から毎日のようにカフェに通ってた。
時に仕事をして、時にぼんやりと時間をつぶす。
頼むものも、パスタだったり肉料理だったり様々。
でも決まってコーヒーを頼んでいた。
そんなことを、観察してしまっている自分に気づいた。
「あ・・・」
その日もまた、例にもれず彼はやってきて、加奈子はキャピキャピ喜んでいた。
加奈子は旦那も子どももいるくせに、目の保養だと喜んでた。
その日、私の目についたのは、彼が手にしていた本。
丁度食後のコーヒーを運んで行った時に机に置かれたその本の表紙を見て、目を見開いた。