誰にも内緒の溺愛旦那様
地下道は水がポタポタとアスファルトに落ちる音が響いていた。
鳴海さんのやや後ろ、若干となりを歩いて、あとに着いていった。
こんな機会、多分…いや、もう二度とないから、
斜め後ろから見える鳴海さんの顔を、なんども見た。
お店の中は、落ち着いていて、すべてのテーブルとテーブルの間に仕切りがあって、個室みたいになっていた。
「鳴海様、いらっしゃいませ、2名ですね」
「はい。禁煙席で」
「かしこまりました」
たばこ……吸わないのかな。
でも、常連さんっぽいし、わざわざ禁煙席って言ったってことは……
「あたし、喫煙席でも大丈夫…ですよ」
「え?」
「たばこ…吸われるんだったら…」
「あ、俺は非喫煙者だから。でも俺は喫煙席でもいいんだけど、柚ちゃんがいやがるかなって」
「あ、そ…そうなんですか……ごめんなさい…」