強引上司の溺愛トラップ
「……そうなのねっ。良かった、安心したわ」

……あれ? 笑顔。睨み付けられたと思ったけど、勘違いだったかな?



「では私、そろそろ行くわ。お仕事中にごめんなさい」

会話もそこそこに、千鈴さんはバッグを持って席を立った。


「あ……すみません。私ずっと同席してしまって」

「あら、いいのよ。私も渡辺さんと話せて良かったわ」

千鈴さんは、またにっこりと柔らかく笑ってそう言ってくれた。やっぱりさっきのは、気のせいだったかな。


「今度はいきなり会社来るんじゃなくて、ちゃんと連絡して実家来いよ。俺も時間作って帰るから」

「ええ、そうね。あ、じゃあ今夜は空いてる?」

「ん?」

「実家でおば様やお兄様たちと一緒にお話するのももちろんいいのだけれど、せっかくだし、優くんとふたりでもう少し話したいわ。どうかしら?」

千鈴さんにそう言われ、課長はとなりに座る私にチラッと視線を向けたあと……


「……ん。今日は十九時には仕事終わると思う。その頃また連絡する」

と告げた。
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