強引上司の溺愛トラップ
そんな訳で、仕事が終わったあと、大通りにある、割と賑やかなピザのお店でふたりを食事をした。

その後、早めの時間にお店を出たあとは、一島くんは『彼女の家に行くから』と言ったので、途中で別れた。


私は、駅までの道をひとり歩く中で、食事中に一島くんに言われたことを思い出していた。


『渡辺さん、前に言っていた、気になる人とはその後どうなんですか?』

『え? えーと……今は気になるっていうか、好き、かな……』

『え、そうなんですかっ? じゃあ、もう付き合ってるんですか?』

『う、ううん。その、相手の人からは付き合おうって言ってもらってるんだけど、私の方から、まだ私の気持ちをちゃんと伝えられていなくて……恥ずかしくて……』

『それ、油断しない方がいいですよ』

『え?』

『あ、意地悪言うつもりは全然ないんですけど。大学の時に友達でいたんですよ、恥ずかしがってなかなか告白出来ずにいた男友達が。そしたら、いつの間にか相手の女の子の方が、他に好きな男の子作っちゃった。それまで明らかに両想いだったのに』

『え゛……』

『まあ、それは告白出来ずにいたのが男側だったからだとも思うんですけどね! でも、人の気持ちはいつどうやって動いちゃうか分かりませんから、両想いだからって気を緩めずに、早く恋人になった方がいいかも』
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