強引上司の溺愛トラップ
「け……」

「はい……」

「……っ、結婚するぞ! ホラ、受け取れ、指輪だ!」

「えええ?」

課長は私に、指輪の箱を押し付けるようにして、プロポーズをしたのだった。


「せ、せめて指輪の箱を開けながら言ってくれませんか」

「自分で開けろ。ハイ、この話は終わり! 着替えて飯行くぞ!」

「な、何か理想のプロポーズと違う!」

「お前の理想なんか知るか!」

そう言って、課長はさっさと立ち上がり、スーツの上着を脱ぎ、壁掛けのハンガーにそれを掛ける。


私の両手には、さっき課長からもらった花束と、たった今、押し付けられるようにして受け取った、まだ中身も見ていない、指輪の箱。


えと、あれ?私、本当に今、プロポーズされたんだよね?幻想?



「……っ」

気付いたら、私の目からは大量の涙が溢れていた。
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