イノセントラヴ~不実な社長と契約結婚~
「風呂には入ったのか?」


「はい」


彼の長く骨ばった指先が櫛のように私の髪に通される。背筋に駆け抜ける甘い電流。

「俺も風呂に入るから…先にベットに行って、待ってろ」

悠真さんはソファから立ち上がるとネクタイを解き、私に渡した。

「はい」
私は胸を弾ませて答えた。

 『愛してる』
とは言われてもないし、正式に結婚もしていない。


でも、心とカラダは満たされていた。


何も知らない初心な私は簡単に彼の手管に落ちてしまい、悠真さんと過ごす時間に何よりの幸せだった。


悠真さんの枕をずっと見つめ、風呂から上がるのをジッと待っているとバスローブ姿で入って来た。


「寝たか?」

「寝てません。ちゃんと待っていました。悠真さん」

「そんなに欲しいのか?」

「別にそう言うワケではなく・・・」

Hだと思われるのが恥ずかしくて、必死に誤魔化したが、言葉が続かなかった。





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