気になる!
美鶴にとっては、その物音は恐怖心よりも、
誰か居たんだというほっとする安心感の方が、
何故か強かった。


つかつかと早足で音の主を探し始める。


いない…、


いない…、


書架の間を一つ一つ確認していく。


やがて一つ横の通路をはさんで、男子生徒がしゃがみ込んでいる姿が向こうに見えた。


「…あのう…」


良かった、見つかった。
そう思って話し掛けようと近づいた。
…が、足が止まる。


…えっ…?
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