水曜日の片想い





図書室の扉を開けるのってなんだか無性にドキドキする。


授業の時に1、2回来たくらいで自分から行ったことはまずない。


水曜日の受付当番って誰だったかなぁ〜。


わたしでも読める本があるといいけど……。



ちょっと緊張しながらゆっくり扉を開くと、かなり静かで驚いた。


呼吸だけでも響きそう。


な、なんか嫌な静けさ……。




「あっ」


ちらりとカウンターを見ると、見覚えのある人が1人だけ座っていた。



あの人ってたしか…………。




橘旭陽くん。




通称、観賞用の王子様。



クラスの女子たちがきゃあきゃあ騒いでるのを見たことがある。



でもたしか橘くんって………。


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