水曜日の片想い


「ひっ………!」



なっ、なんかすっごい睨まれた……!?


気になってチラチラ見ていたらすごく嫌そうな顔で睨まれてしまった。


やっぱり………“そう”なんだ……。



噂で聞いた橘くんのこと。


話しかけても無視するか冷たくされる。


良いのは顔だけで、

遠くで見るのが1番いい。


やっぱり噂通りの冷たい人なんだぁ………。



橘くんにビクビク怯えながらも何か面白い本はないかと本棚を見渡してみる。



普段本など読まないわたしにとっては、どれが面白いのかさっぱりわからない。


適当に取ってペラペラめくっても、頭が痛くなりそうなものばかり。


並んだ文字が全て暗号に見えてきた。


難しいのは読めないけどまだ時間あるし……何か選ばなきゃ。

うーん、どうしよう………。



頭の中で格闘しながら、次の本を取ろうと棚から抜きだそうとした、


その時だった。


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