水曜日の片想い
「痛っ……」
本棚に戻している途中、突然橘くんが持っていた本が手からするりと滑り落ちた。
橘くんの手首……腫れてる………?
軽く折られたワイシャツの袖から見える橘くんの右手首は、いつのまにか赤く腫れあがっている。
もしかして………。
わたしを庇ったときに、きっと本が手首に当たったんだ。
ううん。
あんなにたくさんの本が落ちてきたんだもん。
痛いのは手首だけじゃないはずだ。
「ごっ、ごごごめんなさい!わたしのせいで………」
「ちょっ、おい……!」
ガッと無意識でつかんだ橘くんの手首はかなり熱がある。
腫れあがってすっごく痛そう………。