水曜日の片想い


「膝擦りむいてる」


「あ、ほんとだ……」


気づいた頃にはズキズキと痛みが増していた。


転んだ直後は全身が痛かったけど怪我をしたとわかった途端、無性に膝だけが痛む。


コンクリートだしね、無傷なのもおかしいか。



「ちょっと待ってな」


ポケットに手を突っ込んで、ゴソゴソと絆創膏を取り出す橘くん。


貼ってくれた絆創膏はピンクの水玉模様だった。


相変わらず可愛い絆創膏持ち歩いてるなぁ………。


橘くんのお母さん?はとても可愛い人だろうと容易に想像がつく。



「ご、ごめんね……ありがとう」


まさかまた橘くんから絆創膏を貰う日がくるなんて……。

2度あることは3度あるって言うし、また橘くんの目の前で転んで怪我でもしそう。



「別に」


反応はやっぱり冷たいけど、その素っ気なさにもドキドキしてしまう。


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