水曜日の片想い


「立てるか?」


「は、はい……」



わたしを支えながら立たせてくれる橘くんに、さらにドキドキが増してくる。


なんだか恋人になった気分。


指先からドキドキが伝わりそう………。


手汗とか、かいてないかな?

せめてどこかで手洗いたかったよ〜!



思考停止していたさっきのわたしとは裏腹に、今度は脳が休むことを忘れている。


破裂しそうなくらいうるさい心拍数は、怪我をした膝よりずっと痛い。


わたしに合わせてゆっくりと歩幅を合わせてくれる、さりげない橘くんの優しさにきゅんとした。


今日の橘くんはやけにわたしの胸きゅんポイントを的確についてくる。


ドキドキしすぎてこのまま倒れちゃいそうっ………。



あぁ、橘くんの頭にキラキラの王冠が見えてくるよ。

まさにわたしの王子様…………。


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