水曜日の片想い
「………はっ…」
え?
隣を歩いている橘くんが、いつの間にかあいてる片方の手で口元を押さえて何かを堪えていた。
「橘くん?」
手と前髪で隠れてよく顔が見えない。
どうしたのかな?
………まっ、まさかため息!?
バカなわたしに気を使ってわざわざ隠してくれてるの?
自分でも呆れるくらいなんだから、隠さなくてもいいよ〜!!
余計に悲しくなってーーーー。
「っは………も………瀬戸ってほんと……バカだな」
「バカって……?」
本日2度目、橘くんから「バカ」と言われてしまった。
頭にドスンと重い石が乗った気分。
うぅ………こんなんじゃ橘くんにつり合う人になるのは夢のまた夢だよ……。
ただのバカ女じゃ彼女候補にすら入れてもらえないだろう。