水曜日の片想い
「バカすぎて面白いよ」
あ、笑ってる。
橘くんが……笑ってる……。
胸の鼓動がさらに速度を上げたのがよくわかった。
橘くんの笑顔を見るのはわたしが初めて図書室を訪れたとき以来。
この笑顔に心を奪われてしまったのだ。
「橘くんは笑ってる方がかっこいい……」
「は?」
「って、わたし何言って……」
すぐに息を飲んだけど、時すでに遅し。
勝手に口が動いてしまった。
心の中で呟こうとしたのに、思わず口に出しちゃったよ。