ノイジーマイノリティー


先輩ならいいか



先輩も嬉しそうに笑ってくれている



先輩の友達は



先輩と私のやりとりに



全く気付かず



声をあげた



えー、そうなのと顔は残念そうだったけど



声色は少し喜んでいる



「どんな人なの



結婚しちゃうの。」



そう質問が来た



曖昧に返事を濁す



これ以上は突っ込めないと



先輩の友達も判断してくれたらしい



話を少しそらしてくれた



「そういえば、うちの隣の



グループの女子社員の子が



東京の営業所に移動になったんだって。」



そう言って名前を教えてくれた



聞き覚えのある名前だった



「営業関係の事務も



移動になる時があるんだね。」



そう三人で頷く



先輩の友達は東京かいいなと呟いた




先輩と私は顔を見合わせた






先輩の友達は好きな話を



さんざん好きなだけして



自分のフロアーに帰っていった



「あぶなかったね、ごめんごめん。」



先輩がそう言った



私は気にしていなかった



全然興味のない飲み会なんて



めんどくさいし



保護者じゃないんだから



勘弁して欲しいかな



なんて思ってた



それに人のことより自分のこと



仕事のことが気になっていた



月初は忙しいんだ



「とりあえず、ほっておこう



私もおだしなんて勘弁だし。」



先輩も仕事の話をし始めた



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