カレ☆チェン〜恋のわらしべ長者計画〜




「…はぁ」


「いや確かに、昔は偏見があったんだ!
…男のくせに、化粧して踊るとか
しかしあれも表現なんだよ!


考えてみれば古来から
歌舞伎や舞台では女形って存在があった
鳥や虫だって、オスの方が派手だ!」




あたしは、黙って聞いてた。


運ばれて来た
サンドイッチを食べながら


サブロウさんって人とは
とても掛け離れた、その話を。




――― なんか…


こういう人が
『キミは選ばれた戦士だ!!』
とか、いろいろと言われて


アブナイ集団に騙されたりするのかなって
妙に冷静に考えてる自分がいる




「手始めはライヴハウスからだ!!
でかい所を借りて、たくさん客呼んで…

その時はもちろん
ちぃちゃんにもチケット渡すよ!」


「え…いぃですよ、悪いし」


「…それにこれは
ホントにこれは俺の
勝手なワガママだけど…
…もしその時まだあいつが一人なら…

いや、そんなに遠い
未来じゃないと思うんだ

今まで俺は、気合いと根性で
すべてくぐり抜けて来た!
だから絶対に…」


「ちょっと
トイレ行って来ていいですか?」


「あ、おお!」


「というか…やっぱり帰ります
ごちそうさまでしたぁ」


「えッ?!どうしたんだいきなり!!」




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