婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
中西さんは、わざと私が気になるような言い方をして反応を楽しでいるのは明らかで、ここで動揺したら彼の思うつぼだけれど…。
そんなことを聞かされて、平気でいられるはずがない。
私は隣にいる圭司の顔を不安げに見つめた。
「あのさ あの時、お前も含めてみんな二次会に行くって盛り上がっちゃて、誰も手助けしてくれなかったよな。寝てる人間、タクシーで家まで送るの、すっげー 大変だったんだけど。」
圭司は、中西さんを睨みながら言った。
「いや~ それはさ…ほら お前が杉本は誰にも触わらせないって感じだったから、遠慮してやったんだよ。」
「はあ? おまえ ふざけんな! さっきから誤解を招くような言い方しやがって。なつ こいつの言うこと真に受けなくていいからな。」
圭司はイラついた声で、私に言った。
「私 ちょっと トイレ言ってくる…。」
そう言って、私はその場を逃げるよう席を立った。
落ち着こう…。
私はトイレの鏡に映る自分に言い聞かせた。
別に、酔っ払った後輩のことを家まで送って行っただけだ…。
私だって 飲み会のたびに松井くんにお世話になっていたし…。
あ でも、松井くんには襲われそうになったんだった…。
ダメだ…。
やっぱり酔っ払った女の子を男が送って行くなんて、危険すぎるんだ。
この話だって、中西さんに聞かされなければ私は知らないままだった…。
あれだけ隠し事はしないって約束し合ったのに都合の悪いことは黙ってるわけか…。
だんだんと、圭司に腹が立ってきた。