婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~

「お取り込み中悪いけどさ… 俺 今 凄い悪者みたいになってるけど、ただ なつさんのこと引き留めようとしただけだらね。おまえが来る前に、なつさん帰るって言い出すからさ…」

夏樹さんが必死で圭司に訴えた。

「だからって 抱きつく必要ないだろ。なつ
を抱きしめていいのは俺だけなんだよ!」

圭司が夏樹さんを睨みながら言った。

「仕方ないだろ! 職業柄、泣いてる子を見ると条件反射で抱きしめちゃうんだよ 俺は!」

「知らねーよ! こっちだって 何度もおまえに触られて、すげームカついてんだよ! 二度となつに近づかないでくれる?」

次第に、二人の声が大きくなっていく。

「あーあ なつさんも大変だね… こんな 嫉妬深い男…。 嫌になったら いつでも俺のとこに来ていいからね!」

「てめー ふざけんなよ?」

「あの おおふたりとも!! その辺にして下さい! 凄い目立ってますから!」

駆けつけた柚ちゃんの言葉で、圭司と夏樹さんはハッとしたように周りを見渡した。

さすがに、ホテルのロビーにはいられなくなり、私たちは逃げるように外へと出た。

「どうする 店? 決まってないんだったら、俺の知ってるとこでいい? 懐石料理なんだけどそこの女将 俺の客だからさ…。たまには顔出してあげないとうるさいんだよね。」

夏樹さんの言葉に皆が頷いた。
状況がイマイチ飲み込みこめていないのは、私だけのようだった。

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