婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
結局 最後まで杉本さんは目を覚まさず、圭司と私とで家まで送ることになってしまった。
「悪いな 俺 逆方向だからさ、あとは宜しく。じゃあ なつさん 今度はバーベキューで…。」
中西さんは、タクシーの後部座席にすわる私達にニヤリと笑って手を振った。
最後の最後まで、面白がっているとしか思えない。
圭司が誘ってこなかったバーベキューのことをさらっと持ち出すあたり、私達夫婦が揉めることを期待でもしてるんだろう。
ほんとに性格悪い人だよね…中西さんって…。
タクシーは杉本さんの家に向かって走り出した。杉本さんは、気持ちよさそうに私と圭司の間でスヤスヤと眠っている。
「なつ 今日は悪かったな…。待たせた上に、中西たちと飲む事になっちゃって…。」
圭司が重苦しい空気を断ち切るように、口を開いた。
「うん 別に。」
私の素っ気ない返事で会話は終了した。
圭司は、トイレから戻った私の様子がおかしいことには気づいているようだった。
私は、黙って窓の外を眺めた。
何が悲しくて、圭司の浮気相手を一緒に送らなくてはいけないのだろう。
タクシーが揺れる度に、杉本さんは圭司に密着するようによりかかっていく。
私の前でそれを許している圭司の無神経さにも腹が立つ。