婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~
「バーベキューの事だけどさ、もしかして 中西から聞いた?」
圭司は再び、私の方に顔を向けながら声をかけてきた。
「聞いたよ…。」
私は、窓の外を見ながら答えた。
「そっか…。でも なつは仕事だろ?」
「別に…有給余ってるし、中西さんにも声かけて貰ったから行くつもりだよ。」
「えっ…?」
行くって言ったのが、よっぽど予想外だったようだ。
「なんで…。私が行ったら何かまずい事でもあるの?」
私は圭司の方に振り向きながら言った。
「いや 別にそんなことないんだけど。俺 杉本と一緒に当日の手配とか任されてるし、役員たちの家族も来るからけっこう向こうでもバタバタしちゃうと思うんだよね…。だから なつ来ても面白くないと思うよ。」
「ふーん でも いいよ。行くから。」
「あっ そう…。分かった。」
圭司は、よっぽど私の意志が固いと思ったのかそれ以上は何も言わなかった。
タクシーは杉本さんのアパートの前に着いた。
田舎から出てきたと言っていたから、きっと独り暮らしなのだろう。
「悪い なつさ 杉本の荷物持ってくれる? 俺 背負っちゃうから…。」
「うん…。」
圭司は、タクシーから降りると杉本さんを背負ったまま、階段を上り始めた。
突き当たりの部屋まで行くと、足を止めて私の方に振り向いた。