婚約者はホスト!?③~夫婦の絆~

圭司は私に気づくと、彼女にあそこというように合図をし、私の方へと歩いて来た。

「ごめん なつ! 何度も電話したんだけど繋がらなくてさ…。随分、待たせちゃったな」

「あっ うん 大丈夫。中西さんからちゃんと伝言聞いたから…。私こそ、携帯の電池切らしちゃってごめんね!」

私は、笑顔でそう答えた。
違う意味では、この人のせいで全然大丈夫ではないのだけれど…。

「伝言? あれ 中西… お前 なんでいんの? 俺 お前に何かたのんだっけ…?」

圭司は、不思議そうに中西さんの顔を見た。

「いや お前がなつさんと、この店で待ち合わせてるの聞こえたからさ…でも、お前、携帯繋がらなくて困ってただろ? 気をきかせてやったつもりだけど…。それより なんで 杉本 連れて来たの…?」

圭司は中西さんの言葉で、ああと言って後ろにいる彼女の背中に手を当てた。

「なつ この子 俺が教えてる後輩なんだけど、今日頼んだパソコンの本貸してやってくれるかな?」

圭司がそう言うと、彼女はぺこりと頭を下げた。まだ あどけなさの残る素朴な感じの女の子だ。

「あの 杉本柚葉です。いつも 瀬崎さんにはお世話になっています。奥様にもご迷惑おかけしてすみません。」

「いえ とんでもない…。私ので良かったらどうぞ…。」

そう言って、私は持ってきた本を彼女に差し出した。

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